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世界を暴く

2013-01-01から1年間の記事一覧

幻影ヲ駆ケル太陽3話における主人公の自己正当化の正義と欺瞞

幻影ヲ駆ケル太陽というアニメが放送中である。大傑作とは言い難いと思うがところどころに見所はあって、なかなか憎めない作品だ。特に3話で主人公の自己正当化の問題を処理してみせた手際には少々ぎょっとさせられるところがあった。この作品の3話というの…

動機がない

動機がない時代である。「エントリーシート 書き方」でググろうとすると真っ先に「志望動機」がサジェストされる。まあこれだけ豊かな社会でありながらギラギラと何かを渇望してる奴らばかりというのもそれはそれでヤバい気がするので、これはそんなに悪いこ…

2013年上半期ベストチューン

はじめに 大学のオタサーの人らがアニサマの妄想セトリ対決やってて、めっちゃ楽しそうでめっちゃ羨ましかったので、今更ながら上半期の総括をするのである。6月末日までに世に出たものから10曲選んだ。収録基準は特にないが(アニソン縛りも外してある)、…

艦隊これくしょんを生きていく

妄想ネトゲ私史接触編 むかしむかしネトゲというのがあって、俺の雑な理解ではまずこれの月額課金型のモデルが人を集めて結構稼いだ。プレイヤーは月に1,500円とかそのくらいを運営に支払いゲームをする。このゲームというのがはっきり言ってクソゲーなので…

艦隊これくしょんに殺される

助けてくれ。朝起きる。顔も洗わずデスクに向かう。艦娘たちが待っている。可愛い陸奥が出迎える。やっぱりまずい、女の子の前ではきれいにしなきゃ。顔を洗って髭を剃る。さて改めてデスクに向かう。おはよう、おはよう。出撃していた艦隊が帰投しました。…

懐疑論者は体制の走狗だ、潰せ

タイトルは釣りかつ煽りだが間違いではない。懐疑論者というと通俗的にはニヒルな反体制の狂犬みたいに捉えられがちである;だがそれは嘘だ。そういう主張をするタイトルであって、綴り間違いではない。もちろん、常に不平をこぼすかへらへらするかしてる懐…

映画『風立ちぬ』に覚える不満

感覚を愉しませる点は多いがメッセージをまともに受け取る映画ではないと思う。メッセージそれ自体がダメだということではなく、メッセージに相即した表現がなされていないのである。本作のキャッチコピーには「生きねば。」とある。これは込められたメッセ…

「アスカと綾波どっちが好きですか?」

という質問をされた。丸々三秒は硬直して絶句した。それにしても何で俺は硬直して絶句する必要があった? その後、うーんマヤさんがいいねぇなどと茶を濁しながら考えた結果、想到したのは次のような結論だ。アスカと綾波のどっちが好きかという質問は危なっ…

異端者ゆえの特権的認識

芝村裕吏の問題意識:どうすれば生き延び勝利できるか? マージナル・オペレーション 01 (星海社FICTIONS)作者: 芝村裕吏,しずまよしのり出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/02/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 44回この商品を含む…

まどかマギカの逆説的反革命主義

個人道徳学説のバトルロワイヤルとしてのまどかマギカと、その暫定チャンピオンとしての功利主義者キュゥべえ まどかマギカというのは、色々な読み込みを施すことができてそれゆえ優れた作品なわけだが、個人道徳(行為準則)のあり方に関するいくつかのスケ…

艦隊これくしょんが面白い

艦隊これくしょんが面白い 艦これが面白い。キービジュが正直パッとしなかったので敬遠していたが、はじめてみたら案外可愛い娘が多いものだ。予想外だったのは声とセリフの破壊力で、これで転んであっさり陽炎ちゃんきゃわわとか言い出してる自分には自分で…

私がモテないのはどう考えても私が悪い

非リアの問題は非モテの問題であるという悪質なデタラメ 非モテという問題があるらしい。モテたいけどモテなくて、モテないのはつらくて、つらいのは問題だという話である。ここに、本当はモテたいくせに普段は「いや俺モテたくねーし、全然モテたくねーし」…

挙証責任はどっちにあるのか

次のような会話を考えることができる。「このアニメはクソだよ」 「何を以てクソと言うんだ? 証拠を挙げろよ」あるいは次のような会話を考えることもできる。「このアニメは神だよ」 「何を以て神と言うんだ? 証拠を挙げろよ」両方の場合で議論の構造はま…

DQNアニメをDQNを正当化してるという点で以て叩くのは不当だ

個人的な不快感からある作品をクソアニメと呼ぶことは不当だ あるアニメ作品に、気に入らない人物、気に入らないアイテム、気に入らない考えが出てきて、それが正当化されるということがあるわけだ。そのような時われわれは不快を感じ、その作品をクソだと呼…

カミュは非リアの文学じゃない

色々あって『異邦人』を読み直していて、標記したようなことを思った。よりはっきり言い直せば、現代人が『異邦人』のムルソーに共感を寄せるのは間違ってるってことだ。 ムルソーは確かにリア充ではない。この点を取り上げられて、ムルソーは現代においても…

承認論の心理学的基礎?

ひさしぶり。元気? 俺は全然元気じゃない。というわけで自己啓発本とかを読むわけだが、そんな中発見するのは社会心理学の通説がここ十数年の間でもけっこう変わってそうだってことだ。スタンフォードの自分を変える教室作者: ケリー・マクゴニガル出版社/…